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膝専門で働いていた理学療法士が膝の痛みについて徹底解説!!

こんにちは!トレーナーの喜多です!

私は理学療法士としてクリニックで勤務し、特に膝関節のリハビリテーションに多く携わってきました。

臨床では、膝の痛みがある方に対して、膝関節だけでなく股関節・足関節・筋力・姿勢・歩行など、身体全体の動きを評価してきました。

この記事では、そうした経験をもとに、膝の痛みや膝関節の構造について、専門的な内容も交えながら分かりやすく解説したいと思います。

「歩くと膝が痛い」「階段の上り下りで膝が痛む」「しゃがんだ時に膝に違和感がある」

このような膝の痛みに悩んでいる方は多いと思います。

しかし、一言で「膝が痛い」といっても、その原因は一つではありません。

膝関節には骨だけでなく、半月板・靱帯・筋肉・腱・脂肪など多くの組織が存在しており、痛む場所や動作によって考えられる原因も変わってきます。

また、膝は単独で動いているわけではなく、股関節や足関節(足首)の動きから影響を受けることもあります。

今回は、膝の痛みを理解するうえで知っておきたい「膝関節の構造」について、専門用語も交えながらできるだけ分かりやすく解説していきます。

そもそも膝関節はどんな構造?

膝関節は主に 3つの骨から構成されています。

  • 大腿骨(Femur):太ももの骨
  • 脛骨(Tibia):すねの骨
  • 膝蓋骨(Patella):いわゆる「膝のお皿」

                    

一般的にはまとめて「膝関節」と呼ばれていますが、実は膝には大きく分けて2つの関節があります。

それが、

脛骨大腿関節(FT関節)膝蓋大腿関節(PF関節)です。

脛骨大腿関節(FT関節)とは?

脛骨大腿関節(Femorotibial Joint:FT関節)は、大腿骨と脛骨によって構成される関節です。

私たちが一般的に「膝の関節」とイメージする部分の中心になります。

主な動きは、

膝を曲げる「屈曲」と、膝を伸ばす「伸展」

です。

ただし、膝は単純に曲げ伸ばしだけをしているわけではありません。

膝の屈曲・伸展に伴って、脛骨や大腿骨にはわずかな回旋運動も起こります。

そのため膝関節は、見た目以上に複雑な動きをしている関節なのです。

膝蓋大腿関節(PF関節)とは?

もう一つが、膝蓋大腿関節(Patellofemoral Joint:PF関節)です。

これは大腿骨と膝蓋骨(お皿)によって構成される関節です。

膝を曲げ伸ばしすると、膝蓋骨は大腿骨にある溝の上を滑るように動きます。

この動きを膝蓋骨のトラッキング(Patellar Tracking)と呼ぶことがあります。

膝蓋骨は、大腿四頭筋が発揮した力を効率よく脛骨へ伝えるうえでも重要な役割を持っています。

階段の上り下りやスクワットなど、膝を曲げた状態で力を発揮する動作では、PF関節にも負荷が加わります。

そのため、いわゆる「膝のお皿の周りが痛い」という症状を考える際にも重要な関節です。

 

 

膝のクッション「半月板」とは?

大腿骨と脛骨の間には、半月板(Meniscus)という線維軟骨性の組織があります。

半月板には、

  • 内側半月板(Medial Meniscus)
  • 外側半月板(Lateral Meniscus)

の2つがあります。

半月板というと「膝のクッション」というイメージが強いですが、役割はそれだけではありません。

半月板には、

荷重の分散・衝撃吸収・関節の安定性を高める

といった重要な役割があります。

歩行や階段、ランニング、スクワットなどでは膝関節に繰り返し荷重が加わるため、その力を分散する半月板は非常に重要な組織です。

 

 

膝を安定させる4つの代表的な靱帯

膝関節には、骨と骨をつなぎ、関節が過剰に動かないように支える靱帯(Ligament)があります。

代表的なのが以下の4つです。

前十字靱帯(ACL)

Anterior Cruciate Ligament:ACL

膝関節の内部に存在し、主に脛骨が大腿骨に対して前方へ移動しすぎることを制御します。

また、膝の回旋方向の安定性にも関係しています。

後十字靱帯(PCL)

Posterior Cruciate Ligament:PCL

ACLとは反対に、主に脛骨が大腿骨に対して後方へ移動しすぎることを制御します。

内側側副靱帯(MCL)

Medial Collateral Ligament:MCL

膝の内側に存在する靱帯です。

主に膝へ加わる外反ストレス(Valgus Stress)に抵抗し、膝の内側を安定させています。

外側側副靱帯(LCL)

Lateral Collateral Ligament:LCL

膝の外側に存在する靱帯です。

主に内反ストレス(Varus Stress)に抵抗し、膝の外側の安定性に関係しています。

このように膝関節は、骨だけで安定しているのではなく、半月板や複数の靱帯によって安定性が保たれています。

 

膝を動かす代表的な筋肉

膝関節を実際に動かすためには、当然ながら筋肉も必要です。

特に重要なのが、太ももの前側にある大腿四頭筋と、後ろ側にあるハムストリングスです。

大腿四頭筋

大腿四頭筋(Quadriceps Femoris)は、

  • 大腿直筋
  • 外側広筋
  • 内側広筋
  • 中間広筋

の4つの筋肉から構成されています。

主な働きは膝関節伸展、つまり膝を伸ばすことです。

立ち上がる、歩く、階段を上る、スクワットから立ち上がるなど、日常生活のさまざまな場面で働きます。

また、大腿四頭筋からの力は膝蓋骨を介して膝蓋腱へ伝わるため、膝蓋骨やPF関節とも非常に深い関係があります。

ハムストリングス

太ももの後ろ側には、

  • 大腿二頭筋
  • 半腱様筋
  • 半膜様筋

から構成されるハムストリングス(Hamstrings)があります。

主な働きの一つが膝関節屈曲=膝を曲げることです。

さらにハムストリングスは股関節にもまたがっているため、股関節の動きにも関係します。

そのため、歩行・ランニング・スクワットなどでは、膝だけでなく股関節と膝関節をつなぐ重要な筋肉として働いています。

 

膝が痛くても「膝だけ」が原因とは限らない

ここは膝の痛みを考えるうえで非常に重要です。

膝が痛いと、

「膝に問題があるのでは?」

と考えるのが自然です。

もちろん、膝関節そのものの組織が関係している場合もあります。

しかし、人間の身体は一つの関節だけで動いているわけではありません。

膝の上には股関節があり、下には足関節(足首)があります。

歩く・走る・しゃがむ・階段を上るといった動作では、

股関節 → 膝関節 → 足関節

が連動して動きます。

このように複数の関節や身体の部位が互いに影響しながら動くことを、運動連鎖(Kinetic Chain)といいます。これはまた別の記事で詳しく説明いたします。

例えば、足関節の可動性や股関節周囲の筋力、下肢のコントロールなどが変化すると、動作中の膝の位置や動き、不良姿勢から膝の痛みにも影響することがあります。

そのため膝の状態を考える際には、

膝関節だけでなく、股関節・足関節・筋力・姿勢・実際の動作まで確認することが重要です。

「膝のどこが痛いのか?」も重要

膝の痛みを考えるうえでは、痛む場所も非常に重要な情報になります。

膝の痛みは大きく分けると、

  • 膝の内側
  • 膝の外側
  • 膝のお皿・前側
  • 膝の後ろ側

などに分けて考えることができます。

例えば膝の内側には、内側半月板・内側側副靱帯(MCL)・鵞足周辺など複数の組織があります。

一方、お皿の周囲であれば膝蓋大腿関節(PF関節)や膝蓋腱など、また違った組織が関係する可能性があります。

そのため、

「膝が痛い」という情報だけで、痛みの原因を判断することはできません。

どこが痛いのか。

どんな動作で痛いのか。

いつから痛いのか。

腫れや熱感はあるのか。

外傷をきっかけにしているのか。

こうした情報と実際の身体の状態を合わせて考えることが大切です。

まとめ|

膝の痛みを考えるには「膝の構造」を知ることが大切

今回は、膝の痛みを理解するための基礎となる膝関節の構造について解説しました。

膝関節には、

脛骨大腿関節(FT関節)・膝蓋大腿関節(PF関節)・半月板・靱帯・筋肉

など、多くの組織が存在しています。

さらに膝は単独で動いているわけではなく、股関節や足関節と運動連鎖(Kinetic Chain)によって連動しています。

そのため膝の痛みを考えるときには、

「膝のどこが痛いのか」
「どんな動作で痛いのか」
「どの組織に負担がかかっている可能性があるのか」
「股関節や足関節を含めて身体がどう動いているのか」

などを総合的に見ることが重要です。

膝の内側・外側・前側・後ろ側では、関係する組織や身体の動きも異なります。

「なぜ膝に痛みが出るのか?どこが痛くて、何が痛みを感じているのか。」

膝の痛みを理解する上で、しっかりと構造を把握しておくことが膝の痛みを理解する第一歩になります。

 

 

 

 

 

パーソナルトレーニングジムMIBAEでは、身体の状態や姿勢、関節の動き、筋力などを確認したうえで、コンディショニングとトレーニングを組み合わせたサポートを行います。

 

※痛みが強い場合や、しびれなどの症状がある場合、また症状が長期間続いている場合は、まずは医療機関への相談をおすすめします。

 

 

 

 

参考文献

  1. Flandry F, Hommel G. Normal Anatomy and Biomechanics of the Knee. Sports Med Arthrosc Rev. 2011;19(2):82-92. 
  2. Fox AJS, Bedi A, Rodeo SA. The Basic Science of Human Knee Menisci: Structure, Composition, and Function. Sports Health. 2012;4(4):340-351. 

 

 

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